忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

【CP9+青雉】暑中見舞い申し上げます。

日は巡り、またこの季節がやってきてしまった…。
目の前で横たわるなんとも遣る瀬無い姿に軽い頭痛さえ覚え始めたスパンダムは自身のこめかみを押さえた。

「あ゛~~~~~~」

「…………。」

「あ゛~~~~~~~~」

「…………。」

「あ゛~~~~~~~~~~」

「だーーーーー!うるッせェ!!シュア、てめェこら!
 暑さに弱ェのは分かったが、いい加減気ぃ引き締めて仕事に専念しやがれ!
 何度も言うが俺の出世が懸かってんだぞ!」

拍手[3回]



「無駄じゃよ、長官。
 仕事もなにも、こんなに暑いんじゃ。シュアは当然、ワシらも何も手につかんわい」

「そうね…。特に今年は例年よりもずば抜けて猛暑なのだそうよ」
 
パタパタとキャップの鍔で仰ぎ、気の抜けた風を浴びるカク。
その隣では溶けかけた氷の浮かぶジントニックを片手にカリファが悩まし気に溜息を吐く。
極限まで肌を露出した夏用のスーツに身を包む彼女をまともに見ようものならセクハラだと言われ兼ねないのでスパンダムは目のやり場に困るのであった。

「ったく、だらしねェ奴らだぜ…。
 おい、ルッチ!お前リーダーだろうが!
 お前がしっかり教育しねェからこういうことになるんだ、バーカ!」

「(ギロリ…)」

「ひっ!?」

「何か、仰いましたか…長官…。よく聞こえなかったのですが…」

「い、いや…!何でもねェ!(殺される…!眼で殺される…!)」

なるほど、カリファの言う通り今年の夏は相当暑いらしい。
それを裏付けるかのように流石のルッチもこの酷暑にはお手上げらしく、かなり気が立っているご様子。いつもはきっちりと着こなしているスーツも今日に限ってはネクタイを緩め、シャツの胸元を肌蹴させており、そんな彼の貴重な身なりに塔中のメイド共が黄色い声で騒ぎ立てるのであった。

しかし、それを面白いと思わぬ人物が一人。

「おい、ルッチ!まーたメイドがお前の格好見て失神しちまっただ狼牙!
 おかげで茶も碌に注がれねぇ。
 ったく、お前はこの暑さよりも厄介だな、オイ」

仕方なく自ら麦茶をグラスに注ぎながらルッチを睨むのはジャブラだ。

「ふん…そう言うお前はこの暑さよりも暑苦しい」

「あ?やるのかよ?」

「望むところだ」

「やめんか二人とも」

「あ゛~も~、こんなところで火花散らさないでよ~」

「余計暑くなるわね」

ギャーギャーと騒ぐ一同に一歩引いて傍観していたスパンダムは、最早涼しくなる日が訪れるのを待つしか方法はないかと諦めに入ったが、そんな彼の重い心中とは裏腹に、扉の軽快なノック音が室内に響いた。

「失礼します!
 長官殿、海軍本部から青雉殿がお見えです!」

「あ?青雉…?」
 
突然の来訪者に戸惑うスパンダムだったが、待たずして海兵の誘導により扉の奥から見慣れた長身が姿を現した。

「あららら、酷い有様じゃないの」

「海軍大将が一体何しに来たんだ?」

「こらこら、シュアちゃん。こんなところで無防備に寝てたら、オジサンに襲われちまうぜ?」

「(シカト!?)」

スパンダムの声に耳も貸さず、青雉は形振り構わず倒れ込んでいたシュアの手を取り、ヒョイと軽やかに彼女を引き起こす。

「ひゃ!?冷たッ」

「少しは復活したか?」

パキパキと表面を凍らせた皮膚から皮膚へと伝わる冷感に思わずシュアは2、3度目を瞬かせると、

「青雉……冷たくて気持ちいい!」

なんと彼に飛びついた。

「おっとっと。大胆じゃないの」

「……!」

「ギャハハハ!ルッチのそのショッキングな表情(かお)最高だぜ!」

「ヒエヒエの実の氷結人間か…。羨ましいのう…いろんな意味で」

どうやら青雉のヒンヤリ具合がお気に召したらしく、シュアはその長身にべったりと張り付いて離れようとしない。周囲の羨望を浴びる青雉も、シュアに抱き付かれて嫌な気など勿論するわけもなく、喜んで彼女を長い腕の中に収めた。
が、それも束の間、

「嵐脚!」

ヒュン、と肉眼で捉えることのできない鎌風が青雉の頬を掠めたかと思えば、あえて軌道を逸らされた斬撃は背後の壁を鋭く削いだ。

「ちょっとちょっと、落ち着きなさいや。
 シュアちゃんに傷が付いたらどう責任取ってくれるのよ?」

「そそそ、そうだルッチ!此処は外と違って俺様の部屋なんだぞ!?
 お前がこんなところで嵐脚なんぞするから壁に傷が入っちまったじゃねーか!
 どう責任取るつもりだコラァ!」

そうして斬撃の飛んできた方向に非難を浴びせれば、其処には冒頭以上に物騒な雰囲気を醸し出す殺戮兵器の姿が。
スパンダムがすぐに目を逸らしたのは言うまでもない。

「青雉、貴様こそ、そのふざけた能力でコイツが凍りでもしたら
 どう責任を取ってくれるつもりだ?まさかオブジェとしてプレゼントでもしてくれるのか?
 おいシュア、お前もいつまでくっついているつもりだ」

「あ、ちょっと!引っ張るな…ぐえっ」

抗議の声を上げるもルッチの力に敵うはずもなく、首根っこを掴まれたシュアはあっ気なく青雉から身を引き剥がされてしまった。

「うー…折角涼んでたのに…。ほら、また一気に暑くなってきた…。
 …あ、そうだ!いっそ部屋ごと冷凍しちゃえば!」

「俺ァ、お安い御用だが」

「ヤメロ!俺の部屋だって言ってるだろ!」

まったく、シュアシュアだが、この大将が現れてからというもの、無規律で雑然としていた状況が更に悪化しつつあるような気がしてならないスパンダム。
そもそも、この男は何をしに遥々やって来たのか。特に何の用もないのであれば早々に帰還願いたいというのが切実なところ。

しかし、以外にも幸運は思わぬ形でスパンダムに味方した。

「ま、シュアちゃんの言う通り、この味気も無い部屋一面を凍らせるのが
 一番手っ取り早いっちゃあそうなんだが…、ここは夏らしく、"これ"で涼むってのはどうだ?」

そうして青雉の合図により新兵が荷車に積んで持ってきたのは巨大な氷と、何やら一風変わった怪しい機器。

「ありゃ、かき氷専用マシンか?」

「ほー、粋じゃな」

初めて目にするソレにジャブラとカクも興味津々。
無論、シュアだって今すぐ巨大氷に飛び付かんばかりにキラキラと目を輝かせている。

「荷車に暖簾を下げて…と。どうだ、屋台に早変わりだ。
 ま、俺からの暑中見舞いみてェなもんだな」

「わーい!かき氷だー!」

暑さのあまりストライキ状態だった先程までの様子に一時はどうなることかと思ったが、青雉のおかげで元気を取り戻しつつあるシュアをはじめとする一同に、スパンダムは漸く安堵の溜息を吐くことが許された。

しかし、

「はい毎度、一つ700ベリーね」

「え、お金取るの!?」

「海軍の小遣い稼ぎか…くだらんな。
 まぁ、そんなことだろうと思ったが」

「あら、職務向上を図るんだからここは上司に請求するのが普通じゃないかしら」

「え、長官の奢り?じゃあイチゴ味一つくださーい」

「ワシはレモンにしようかのう」

「ギャハハ!長官、馳走になるぜ」

「お前ら……(泣)」

どうやら安息はタダでは手に入らないみたい…。





*****
いつぞやの拍手夢と似たようなノリですが(もうネタがない^o^)
PR

プロフィール

HN:
新堂モラトリアム
性別:
女性
自己紹介:
当サイトは個人ファンサイトであり原作者様・出版社様・公式関係者様とは一切関係がありません。また著作権侵害を目的としたものではありません。公共PCからの閲覧、オンラインブックマーク、公式サイトとの同窓閲覧、中傷、荒らし、サイト内の文章や画像の無断転載や模倣等はご遠慮ください。閲覧は全て自己責任となりますので苦情は一切受け付けません。マナーを守って楽しめる方のみどうぞ。

NAME CHANGE

ブログ内検索

ご意見があればお気軽にどうぞ