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【拍手】長官の犠牲率がやたら高い拍手集 2

野暮用にて海軍本部を訪れていたスパンダムは、いつもと異なる島の雰囲気に違和感を感じていた。

「何だ?やけに島全体が煌びやかに飾り付けされてやがるな。
 今日は英雄のお誕生会か何かかァ?」

「何を言ってんの。もうすぐクリスマスだからに決まってんでしょうが」

拍手[0回]


「た、大将青雉!…って何ですか、その格好」

「何ってどこからどう見てもサンタじゃないのよ」

「いや、そりゃ分かりますが…何故あなたがその様な格好を?」

「毎年この時期になると海軍は寄付されたお金で
 子どもたちにクリスマスプレゼントを贈るイベントを催していてな。
 とは言っても俺ァ、部屋でゴロゴロしていたかったんだが、
 運悪くおつるさんに出くわしちまってね。
 手伝う羽目になったってワケ。折角だ、キミも手伝ってく?」

「は!?
 あ、いや…貢献したい気持ちは山々ですが生憎私は急ぎの仕事がまだ残っていますので…」

冗談じゃねェ!一体何の得があってこの俺様がガキにプレゼントを配らなきゃいけねェんだ、くだらねェ!
心中で吐き捨てるスパンダムであったが

「今、くだらねェって思ったでしょ」

「めめめ、滅相もない!」

どうやら目の前の大将にはバレている様子。しかし焦るスパンダムを余所に「あぁ、そうそう…」と何やら思いついた青雉は、肩に背負っていた白い袋から綺麗にラッピングされた箱を一つ取り出し、それをスパンダムに手渡すのであった。

「え…これってプレゼント!?戴いてよろs…「よろしいわけないでしょ」

「えェ!?(じゃあ何で俺に寄越したの!?)」

「エニエス・ロビーに戻ったらあの子に渡しといてよ」

「あの子…というのは
 まさか、うちの部下にいるあの小娘のことでしょうか」

「ちょっと、俺の女を小娘呼ばわりするのはやめなさい、直ちに」

「いつから大将の女になったんですか…」

「いや~、がっかりだったなァ。
 折角二人っきりで聖なる夜を過ごそうと思ったのに彼女に予定を聞いてみれば
 クリスマス返上で仕事だって言うじゃない。
 まったく、一体どこの誰が任務を割り当てたのかねェ?んん?」

「(ギクッ!?!?)」

「だから、せめてプレゼントだけでもと思ってな。
 責任持って忘れずに渡しといてくれよ、長官」

肩を叩く青雉に対し返事代わりに出た鼻水は目の前の男の放つ"能力とはまた違った冷気"によるものかもしれない。

青雉が去り、漸くプレッシャーから解放されたスパンダムにドッと疲れが押し寄せたが、彼の中を支配したのはそれだけではなかった。

「そう言えばアイツ、クリスマスに任務だと言い下した時、相当ショック受けてたな…」

悲愴な面持ちの彼女が今になって頭の中から離れない。

「……俺からもプレゼントぐらいは用意してやるかな…」

帰りの船にて、何をプレゼントしようかと思案に暮れる長官の姿があったそうな。

****

クリスマスプレゼントの件によりスパンダムは悩んでいた。

「この際だ、ルッチ達にもプレゼントを用意してやるか。なんて心の広い俺様!
 これでアイツらを更に手懐けてやろうじゃねェか!ワーハッハッハッハ!
 しかし、アイツらの欲しいものって一体何なんだろうな…。
 皆目見当もつかん……あ、いいこと思いついた」

というわけでスパンダムのクリスマス大作戦開始である。用意するものはツリーと靴下。

「全員集合!いいか、お前たち、もうすぐクリスマスだ。
 クリスマスと言えばプレゼント。プレゼントと言えばサンタさん。
 というわけで、サンタさんから何をプレゼントして欲しいか書いた紙を
 この靴下に入れてツリーにぶら下げろ」

「(長官いきなりどうしちゃったのかな)」

「(フン…どうせまたろくでもない魂胆でも思いついたのだろう)」

「(いい歳して"サンタさん"だなんて恥ずかしくないんかのう)」

「オイそこ、聞こえてんだよ!
 いいから言う通りちゃんと書きやがれ!いいな!!」

そう吐き捨て部屋を後にしたスパンダム。こうして残されたCP9一同は渋々ながら筆を取るのであった。

「プレゼントか~、何を頼もうか迷っちゃうね」

「迷っちゃうのぅ。パンツにしようかブラジャーにしようか…」

「その二択で迷ってるの!?ていうかブラジャーってカクいらなくない!?」

「お前のだったらパンツだけじゃなくブラジャーだって欲しいと思うわい」

「私のかよ!やめて、切実に!!
 ジャブラは何て書いたの?」

「ぅおい!勝手に見るんじゃねェ!プレゼント貰えなくなっちまうだ狼牙!」

「それ何のジンクス?ジャブラって間違えた知識持ちすぎでしょ。
 例)能力者が悪魔の実に近づいたら爆発する」

「うるせェ!そういうお前こそ何頼んだんだよ?」

「それが決まらなくて…。カリファみたいな大人な女になりたいから
 100カラット以上の宝石をあしらったジュエリーとかにしようかな?」

「私100カラットなんてそんなケバイもの身につけないわよ」

「え゛(ガビーン)」

「ハッ、100カラットの結婚指輪なら俺が喜んでプレゼントしてやろう」

「結婚指輪とは言ってないよ!
 そもそも結婚指輪って自分のお嫁さんにあげるものだってルッチ知ってる?」

「勿論だ、だから結婚…「しない」

****

その日の夜、早速ツリーの元へと訪れた長官兼サンタさんであるスパンダムは、装飾と共に飾られた靴下に手を伸ばし中から紙を取り出した。

「さ~て、アイツ等何て書いたんだ~?何かワクワクしちまうな。
 お、これはカクの書いたやつか。何々…」

『長官のコーヒーを零す癖が一刻も早く直りますように』

「げ!?もしかしてカップ割る度にコイツ等の給料を元手に
 新しいカップ購入してるのバレてるのか!?
 ていうか、これじゃまるで願い事じゃねェか!七夕の短冊じゃないんだからよ~…」

出端を挫かれた感が否めないスパンダムは少々呆れつつも次の靴下に手を伸ばす。

「これはジャブラか。何々…」

『彼女が欲しい』

「アイツ、相当恋愛に飢えてるんだな…可哀相に。
 しかし、こればっかりは俺にもどうしようもできねェ。
 次いこう。お、これはカリファだな」

『セクハラです』

「何が欲しいか聞いたから!?だぁーーー!次だ、次!!
 そうだ、ルッチは何が欲しいんだ!?」

『"血"ですかね』

「…………。」

どうしてコイツ等はまともなプレゼントの一つも選べないんだ…!いや待て、コイツ等は所詮ついでに過ぎない。肝心なのは本命であるアイツが何を欲しがっているかってことだ。
そうしてスパンダムは徐に残った靴下へと手をかける。

『拝啓、サンタさん殿へ』

「何故コイツだけ手紙形式…。文法も恥ずかしいぐらいめちゃくちゃだ」

『私は100カラット以上のジュエリーと私専用の遊園地と充分な休暇と…」

「欲しいものが多い上にスケールでかすぎだろ」

『…と、欲しいものは沢山ありますが
 あまりに多いと用意するサンタさんが大変だと思ったので一つに絞ることにしました。
 私は"何でも願いの叶う魔法のステッキ"が欲しいです^^」

「なるほどー、それなら効率がいい!
 って魔法のステッキなんてあるか!一体どこの魔女っ子だ!!」

結局何一つとして参考には至らず。眩む頭を押さえるスパンダム。プレゼントは諦めたのか、深い溜息を吐いた彼は執務机へと向かうと書きものを始めたのであった。しかし

「これでいいか…」

机上に広げられた任務予定表にはクリスマスの枠内にある任務が罰で消され、その下に"クリスマスパーティー"と、走り書きの文字が綴られていた。

****

滞りなく任務を終え、エニエス・ロビーへと帰還したルッチ。
報告を兼ねてスパンダムの元へと向かっていた彼だが、長官室の扉を目前にした時、タイミング良く部屋の中から一人の女が現れ、ルッチはそれまで黙々と進めていた歩と共に引き締めていた表情も少しばかり緩めるのであった。
ところが

「奇遇だな」

「それ以上近寄らないで!」

開口一番、彼女の口から放たれた予期せぬ拒絶は、ルッチの心にダメージを与えるには十分であった。
思わず眉を顰めて硬直するルッチだが、しかし、彼には拒絶される節など思い当たらない。

「…ヒステリーでも引き起こしたか?」

「ルッチ知らないの!?ハトっていっぱい菌を持ってて人に感染する恐れがあるんだよ!?」

全く話の展開が読めないが、熱論する彼女が「ほら!ここに書いてある!」と右手に掲げるのは"どこかの馬鹿"の元から持ってきたのだろう動物図鑑であった。

「ハァ…よかろう、その本は後で滝壺にでも放り込んでおく。
 因みに感染するのは虫を食べた野鳩を媒介した場合だけだ。
 ハットリは虫など食わせていないから安心しろ」

「そうなの?なんだ、ゴメンねハットリ失礼なこと言っちゃって」

単純というべきか、ころりと態度を変え申し訳なさそうにルッチの肩に停まっているハットリの頭を撫でる彼女だが、ご機嫌に鳴くハットリとは対照的にルッチは未だ不服であった。

「近寄るな、といきなり言われて俺も心外だったのだが?」

「あ、ゴメン。ルッチも頭撫でてあげようか?」

「それだけか?」

「はいはい」

少しむくれてみせるルッチに彼女は困ったように笑いながらも、つま先を立てると背の高い彼の唇に自分の唇を重ねた。扉の向こうで赤面している人物が居るとも知らずに。

「アイツら…何も俺の部屋の前でイチャつくことねェだろうがよバーカ…」
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