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【仗助】チャーミー

事は1時限目の現文の授業中に起こった。
その日、消しゴムを自宅の机上に置きっぱなしであることに気付いた俺は、意を決して密かに気になっていた隣の席のあの子に小声で話しかけたんだ。

「よぉ…悪ぃんだけど、消しゴム貸してくれねぇ?家に忘れてきちまって…」

彼女と話すのは別にこれが初めてってわけじゃねぇけど、残念ながら仲が良いと言うには程遠い関係。でも、月初めの席替えで折角隣の席になったんだしよぉ、今こそその特権を使わせてもらうぜぇ。

彼女は由花子とつるんでいるところをよく見かけるが、あの女のワンマンな素行にも動じず、常に笑顔を絶やさないその姿は正に癒し。そんな優しい彼女のことだ、天使のような微笑みを向けて「どうぞ」と甘い香りなんかが付いた可愛らしい消しゴムを俺に差し出してくれることだろう。
なんて思っていたのに…

「断る!!」

俺の淡い期待は険しい顔の彼女にバッサリと切り捨てられちまった。

拍手[3回]

****

「ハァ~…俺何か嫌われるようなことしたかよ~…」

「げ、元気だしなよ。落ち込むなんて仗助くんらしくないよ?」

そう言われてもよぉ康一、休み時間となった今もまるで電池の切れたおもちゃみてぇに机に突っ伏したまま動く気になれねぇ。
ほんのちょびっとの髪の乱れも許さねぇ俺なのに、朝は鏡の前でバッチリキメたリーゼントも今では机と仲良くお見合いしている始末。それほどこの仗助くんにとっちゃあショックがデケェってことだ。

俺をこんな絶望に陥れた原因である朱亜は由花子の所にでも行っちまったか、隣には居ない。代わりに彼女の席で背もたれにふんぞり返っているのは億泰だ。
億泰もショゲ暮れる俺を心配してくれてんのはありがてぇけど、本音を言うと、いくら親友でもその崇高なる席に座って欲しくねぇんだけどなぁ。
今はまだ許せるけどよぉ、間違っても机に足でも掛けようもんならオメー、即刻クレイジーDの右手でぶん殴るかんな。

なんて沸々と考えているところ、不憫な俺を見兼ねてか、何やら康一が歯切れ悪くも切り出した。

「あ、あのさ、仗助くん。これ、本当は由花子さんから秘密にしてって言われてたんだけど、
 最近、女子の間で恋愛成就のおまじないが流行ってるんだ」

「…康一よぉ、それ今言うことかよぉ~」

「だからさ、そのおまじないっていうのがほら…有名なアレだよ。
 消しゴムに好きな人の名前を書いて、それを好きな人にバレないように
 最後まで使い切るっていう…」

………………。

「ン?するってぇと…どういうことだよ?」

相変わらず察しが悪い億泰は頭にクエスチョンマークを浮かべてるっぽいけどよぉ、この仗助くんには分かっちまったぜ。
でも、俯く顔を未だ二人に向けらんねぇ。
だってよぉ……ニヤけた口許が元に戻らねぇんだもんよぉ。
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