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【ジャブラだと言い張る】Red Food In W7

あるところに、シュアというそれはそれは愛くるしい女の子がいました。

シュア、ちょっと頼まれてくれねェか。
 森を抜けた先の豪邸に住んでいるバカバーグのところに行って
 船の部品をスーーパーーな値段で売りさばいてきてほしい。
 ついでに街でコーラも買ってきてくれ」

「えー、めんどくさいなあ。じゃあ今日の晩御飯はいつもの10倍豪華なのにしてよね」

「わーかったからさっさと行けっ」

フランキーに首根っこを掴まれ外にほっぽり出されたシュア

「全く、人遣い荒いんだから…」

そうして彼女は赤いフードを深く被ると渋々森の小道を歩き始めました。

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****

しばらく歩いた辺り…
草陰からシュアを見つめる黒い影が。どうやら彼女を襲おうと企んでいるようです。しかし、シュアは呑気に鼻唄をうたっていて自分の身に危険が迫っていることなど全く気付いていません。影はニヤリと笑うと、その姿を彼女の前に現しました。

「これはこれは可愛いお嬢さん、こんな人気のない森を歩いて一体どちらまで?」

影の正体は長い髭と顔の傷が特徴的なとてもガラの悪い男でした。

「フランキーにパシられて森の先の豪邸に住んでいるアイスバーグさんの所まで行くの」

「そうかい、おつかいだなんて偉いじゃねェか。
 俺はジャブラってんだが、お嬢ちゃんの名前は?」

シュアよ」

「なあシュア、そんなおつかいなんてすっぽかして俺と遊ぼうぜ?
 向こうにキレイな花畑があるから連れてってやるよ」

ニヤニヤとした笑みを顔に貼り付けてシュアを誘うジャブラ。ところが

「別に花畑に興味ないんでいいです。
 それにちゃんとおつかいしないと今日の晩御飯抜きにされるし」

と、あっさり断り「じゃっ」と言ってシュアはジャブラの隣を通り過ぎてしまいました。ジャブラはそんな彼女の背中を必死で引き止めます。

「ち、ちょっと待て!その花畑の近くに俺の家があるから折角だ、御馳走するぜ?」

「え、御馳走!?行きます!」

「よーしよし、そうこなくっちゃな!」

花には興味を示さないのに食べ物には反応するシュア。なんて夢のない童話の主人公でしょう。ジャブラは内心で呆れましたが、それでもまんまと獲物をおびき寄せることに成功したので良しとすることにしました。

「どうだ、鹿肉のソテーは!美味いだ狼牙?」

「うん!」

ジャブラの家に来たシュアは出された料理をご機嫌で貪っていました。

「(フン、今から俺様に食われるというのに呑気に飯なんか食いやがって。
 お陰で隙だらけだぜ。今のうちに食べてしまおう)」

ジャブラは舌舐めずりを一つ。そして狼の姿になり後ろからシュアに襲いかかろうと大きな口を開けたその時

「!?」

ジャブラは固まって動けなくなってしまいました。何故なら大きく開いた口に銃口が突き付けられたからです。

「フランキーが言ってた最近森で暴れている人食い狼とは
 やっぱりあなたのことだったんですね。
 お陰で森には人が寄り付かなくなってわざわざ街まで行かないと
 商売できなくなったじゃないですか。まったくいい迷惑です。
 まぁ、これに懲りたらもう悪さしないでくださいよ」

シュアは銃を仕舞うと「御馳走さまでした」と御礼を言い残して出て行き、ジャブラは森の中に消えていく彼女の背中を呆然と見つめることしかできませんでした。
しかし、シュアの姿が見えなくなりハッと我に返ったジャブラは屈辱な気持ちをぶつけるように壁を殴りつけました。

「くそ…あの女意外とマヌケじゃないみてェだな。
 この俺が一敗食わされるとは…。次こそ恐い目に合わせてやる…!」

そうしてジャブラは勢いよく駆け出し家を後にしたのでした。

****

「寄り道してたせいで遅くなっちゃったけど、ようやくアイスバーグさんの家に着いたわ。
 アイスバーグさーん、こんにちはー。船の部品売りに来ましたー。
 生活かかっているので高値で買い取ってくださいー」

シュアはドンドンとドアを叩きますが中からの応答はありません。留守なのでしょうか?
遠い道のりを歩いてわざわざやって来たというのにこのまま何もせずとんぼ返りなんて納得がいかない、とシュアは駄目もとで玄関のノブを回してみたところ、ガチャリ、と無機質な音をたてて難なく扉は開きました。
「おじゃましまーす」と一応断りをいれてシュアは勝手に家に上がることにしました。しかし家の中はシン…と静まり返っていてやはり人の気配はありません。

「やっぱり留守かー。出かけるなら鍵ぐらい閉めていかないと。
 狼が出るぐらい物騒な世の中なんだし」

その時、寝室の方から何やら物音が聞こえました。アイスバーグさんでしょうか。シュアは音のした方に向かいました。

「アイスバーグさん?」

顔だけ覗かせて部屋の中を窺うと大きなベッドの上には何やら人のシルエットが。しかし深く布団を被っていてその人物が誰なのかは認識できません。ここはアイスバーグさんの家なのだからベッドの上の人物は家の主だと考えるのが普通ですが、何やら様子がおかしいようです。

「おおシュア、ようやく来たか。おせーだ狼牙。こっちへ来い」

布団の中の人物は目だけを出してこちらを確認すると手招きしました。シュアは恐る恐る相手に近づきます。

「アイスバーグさん、いつからそんな横暴な口調に…」

「しまった、つい…!あ、いや、何でもねぇ…じゃなくて、何でもないですよ」

「ですよ!?…まあいいや。
 でもアイスバーグさん、いつからそんな趣味の悪い髪形にしたんですか」

シュア
は布団からはみ出している長い髪に注目しました。

「んだと!?あ、いや、これはちょっとイメチェンでもしようかとね!」

「でもアイスバーグさん、いつからそんな目つきが悪くなったんですか。
 まるでどっかのアホ狼みたいですよ」

「カッチーン、もう我慢ならねぇ!!誰がアホ狼だ!誰が趣味の悪い髪形だ!」

シュア
の暴言に耐え切れなくなったジャブラは人から狼の姿になると被っていた布団を剥ぎ取り、彼女に勢いよく覆い被さりました。

「アアアア、アイスバーグさん、いつから狼になったんですか!?」

「ちげーよ!どんな思考回路してんだ!」

「あんたはさっきの狼!?何でこんなところに…アイスバーグさんは!?」

「フン、お前を食ってやろうと先回りしてたのさ。
 アイスバーグは食ってやった…と言いたいところだが、さすがに市長を食うと
 市民が悲しむと思ってとりあえず捕まえてそこのクローゼットに隔離した」

変なところで律儀な狼ですが今はそんなこと言っている場合ではありません。シュアはジャブラに組み敷かれているこの状況をどうにかしようと身を捩ります。しかし肩を押さえつけられていて動けません。

「ぎゃははは!さっきのお返しにたっぷり味わって食ってやる」

そう言ってジャブラはシュアの露わになっている鎖骨から首筋を舐めあげます。

「いやぁ!放せこの変態狼!」

「威勢がいいのは好きだぜ」

ジャブラが嫌がるシュアの服に手をかけたその時

「嵐脚!」

「うお!?」

何者かからの突然の攻撃により、ジャブラはシュアの上から退きました。
そして、急展開に唖然としているシュアの体がふわりと持ち上げられました。

「無事のようだな」

「ルッチ!」

頼もしい彼の登場にシュアは表情を綻ばせました。

「ふえーん、恐かったよー」

ルッチに縋りつき涙をすするシュア。そんな彼女をルッチはよしよしと頭を撫でてやります。しかし、そんな二人の間にすぐさま狼が割って入りました。

「おいこらルッチ、いきなり何しやがる!痛ェだ狼牙!」

シュアは俺の女だ。無暗に触れるな、野良犬の匂いがついてしまう」

「んだと?その女は俺の獲物だ。邪魔すんじゃねーよ。
 だいたい赤ずきんの話に化け猫なんか出てこねぇだ狼牙!帰れ!!」

「ちょっとルッチ、いつから私があんたの女になったのよ。って聞けよ。」

ルッチの言葉に異論があるシュアでしたが、豹の姿へと変化したルッチはシュアの言葉を無視してジャブラと決闘を始めてしまいました。2人の激しい闘いは長い間続きましたが、やがて…

「はぁ、はぁ、今日のところは引いてやる…。
 お前らいつか絶対食ってやるからな!」

「二度と来るな…はぁ、はぁ」

と決着がつかないまま終戦となり、ジャブラは去って行ったのでした。

「吠え面かいて野良犬はようやく帰った」

「追い払ってくれてありがとう、ルッチ」

しかしシュアがホッと胸を撫で下ろすのも束の間。人型に戻ったルッチはシュアを抱きかかえるとベッドに寝かせ彼女の上に馬乗りになりだしました。

「助けてやったんだ。礼は身体で払え」

「えぇーー!?!?狼よりタチ悪いーー!!ていうかあんた元々何しに来たのよ!?」

「俺はアイスバーグさんに用事があって来たんだが
 留守だと判断し帰ろうとしたところにシュアの叫び声が聞こえたんだ」

「は…!そうだ、アイスバーグさんクローゼットに閉じ込められてるんだった!」

「なに?」

ルッチは潔くシュアの上から退いてくれました。シュアは内心安堵の溜息を吐きつつ急いでクローゼットの扉を開けます。すると中にアイスバーグさんが縄で縛られ気を失っていました。

「アイスバーグさん、無事ですか!?」

シュア
はアイスバーグの縄を解いてあげます。

「ん…シュア、それにルッチ…。助けてもらってすまない。
 いきなり狼がやってきて襲われちまった」

「それなら私がボコボコにして追い払いました!なのでお礼に100万ベリーください!」

ルッチは意義を唱えたい気持ち満々でしたが本当のことを暴露してしまえばシュアに怒られてしまうのであえて黙っておくことにしました。

「ンマー、100万ベリーは無理だが、船の部品を売りに来たのだろう?高額で買い取ろう」

「さすがアイスバーグさん!」

シュア
のせいで襲われたなどとはつゆ知らず、彼女のペースに呑まれてしまうアイスバーグさんなのでした。
こうして散々な1日でしたが無事おつかいを済ませられたので、めでたしめでたし。

****

 「てな感じで大変だったんだよ」
フ「そりゃ、ご苦労だったな。で、俺のコーラは?」
 「あ……忘れてた」
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